『会う口実がほしかった』

もうすぐ大好きな彼の誕生日。

 

先月からずっと、どこで何して何をプレゼントするかを考えてた。

 

 

バースデーカードを作りたくて初めて見よう見まねで切り絵を始めたりした。

 

 

当初からイベントに興味が無い彼だった。

バレンタインもホワイトデーも知らないって言ってたし

そゆのやったことないって言ってたから

 

バレンタインもホワイトデーもイベントとしてデートした

初めての記念日もらったァって当時の私ははしゃいでたと思う。

私の中では幸せな思い出だった

 

 

誕生日は静かに過ごしたい。

なにか得体の知れない商業的な風習に振り回されたくない。

 

と言われた。

 

 

その時に、イベントって私が会いたいだけの口実に過ぎないものなんだ。と思った。

 

 

彼になにかしてあげたい。

生まれてきてくれてありがとう。と伝える日

それが当たり前だと思ってた。

 

 

でも本当は誕生日もクリスマスもバレンタインも
好きな人にプレゼントを捧げる口実に過ぎない。


ただ彼に喜んでもらいたいだけなの。

 

プレゼントを貰うのがメインではなく、プレゼントをあげたい。

 

喜んで欲しいって思っただけ。

 

でもこんなことしてたらまた重いって思われて負担になっちゃう、

すぐ全部キャンセルもしたしやり掛けの切り絵も捨てた。

 

 

心底反省してあんまり眠れなかった。

朝電車で朦朧とする意識の中でぼんやり考えた。

 

 

恋人同士で大切なイベント
一般的には誕生日とクリスマスだと思う。


これが大切なイベントとして認知されているか否かは幼少期の経験によるんだと思う。

 

幼い頃に自分の誕生日やクリスマスを毎年祝ってくれていた家庭がいた。なんなら今もそう。

 

だから私には
それが大切なイベントとして刷り込まれていた。

 


それぞれの家庭環境で何もしない家があるのもあたりまえ。
そういう人たちにとって誕生日やクリスマスは山の日と同じくらいの他人事としてインプットされているんだ。

 


それは愛情の問題ではなく育った環境の影響が大きいんだと思った。

 

なんてことしちゃったんだろう、

って自分が嫌になった。

 

 

断られる時にごめんなさい。

と言われた。

 

 

基本的に謝らない彼からそんな言葉が出たのは初めてなんじゃないかなって思った。

 

だからこそ、胸が痛かった。

 

 

ごめんね、ありがとう。

 

って言われる方がまだよかった。

 

 

ごめんなさいは本当に嫌な事だったんだ。

ってわかった。

 

 

謝らないといけないのはわたしなんだ。

本当にごめんなさい。